青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【感想】楽園ノイズ

前にサークルで少し話題になってたのと、イラスト担当が春夏冬ゆうという、私が好きなイラストレーターで、電子で買ったまま積んでたのを思い起こして読んだらすごい面白かったという話。

 

 

あらすじ*1

 出来心で女装演奏動画をネットにあげた僕は、謎の女子高生ネットミュージシャン(男だけど)として一躍有名になってしまう。
 けどその秘密が音楽教師・華園美沙緒先生にバレてしまい、口止めでこき使われる羽目に……
 無味無臭だったはずの僕の高校生活は、華園先生を通じて巡り逢う三人の少女たち
「ひねた天才ピアニストの凛子」
「華道お姫様ドラマーの詩月」
不登校座敷童ヴォーカリストの朱音」
 によって騒がしく悩ましく彩られていく。
 恋と青春とバンドに明け暮れる、ボーイ・ミーツ・ガールズ!
 

 言うほど恋愛しているかは怪しいけど(恋の駆け引きがそんなに描かれていない)、女の子たちが(真面目にかどうかは置いといて)恋愛している。

 

   この作品を読む直前に『しゅごキャラ*2を読んでいて、そのせいもあってこの作品が何者にでもなれる権利を持った若者がその権利をのびのびを使ってなりたい者になっていく物語であるかのように感じた。

   もうなんにでもなれるような年齢でなくなってしまった私にはこの作品は眩しい。でも、そんな風にやりたいことやって多くの人間に評価されるような青春風景は見ていてとても気分がいいし、晴れやか。

   青春を駆けぬける高校生たちの瑞々しさがギュッと詰まっているように感じた。

 

   この作品のそういったキラキラした面も好きなんだけど、主人公とヒロインたちの会話の様子*3がとても好き。ヒロインたちが主人公を篭絡するためかしらないけど、外堀を埋めていく感じで、適度にニヤニヤできる。ヒロインたちが主人公のことが好きなんだなというのもわかるし、だけど主人公が本気で意識しない程度のいい塩梅のリズム。

 

   冒頭でも書いたけど、私はこのイラストレーターが好きなんだよね。前に恋チョコの感想*4でも書いたけど、華奢な女の子を陰影やハイライト少なく、しかし若々しくエロティックに描く。こういうのに憧れる。この人の絵をもっと見たいよ。

 

以上で感想は終わり。もう高校生のころの青春なんて過去のものでファンタジーだ!!って受けいれられそうな人なら読んでとても楽しめるのではないだろうか。私は音楽活動とは無縁の人間だったからフィクションじゃんって割り切って読めた。作品の完成度も高いので読んだことない人は是非。

*1:引用元

dengekibunko.jp

*2:しゅごキャラ』は小学生たちがなりたい自分を強く願ったらそれに「なりきれる」しゅごキャラという存在が生まれるという設定のなかよしで連載されていた漫画で、作品全体を通して卵というモチーフが多用されており、誰もがなりたいような人になれる無限の可能性を秘めていることをテーマとした作品です。

*3:参考

kakuyomu.jp

*4:

 

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