青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【感想】劇場版 呪術廻戦0

12/29に観た

 

jujutsukaisen-movie.jp

 

原作既読

 

話の内容

幼少のころ、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。

「約束だよ 里香と憂太は大人になったら結婚するの」

怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、
最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。

そして、同級生の禪院真希・狗巻 棘・パンダと出会い、乙骨はある決意をする。

「生きてていいって自信が欲しいんだ」
「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」

一方、乙骨たちの前にかつて一般人を大量虐殺し高専を追放された最悪の呪詛師・夏油 傑が現れる。

「来たる12月24日 我々は百鬼夜行を行う」

呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放ち――

果たして、乙骨は夏油を止められるのか、
そして、里香の解呪の行方は‥‥。

(公式サイトより引用)

 

正直なところ原作の方が好き

 

原作の漫画は主人公の乙骨憂太が友人を作り、その過程で自分が生きる意志を持つようになるという本筋ですっきり収まっているもので、私はその簡素さが好きだからだ。だからこそ、クライマックスにあたる百鬼夜行のシーンは、乙骨憂太が仲間をボコボコにされたのを契機に覚醒するところが映えるのだ。

では映画の方は、つまり百鬼夜行のシーンに色々なものが付加されているのだ。呪術本編で登場したキャラたちのこのころの描写や、他キャラの戦闘シーンの増強をしている。乙骨の物語として触れていた私にとってノイズになってしまった。

 

しかしながら、作画は綺麗であり、一つ一つの描写をかなり丁寧に描いていた。特に戦闘シーンにはかなり力が入っていたと思われる。また、音楽も楽しかった。主題歌が良いのは言うまでもないが、BGMとしてときどき歌のある曲を用いて印象的に見せ場を描いていた。

 

 

この映画は単体で楽しむことが十分に可能だ。だが、本編があるからこそ、その内容を知っているからこそ楽しめる要素を多分に含んでいる。例えば、動く冥冥さんとか見れて楽しいとか。これは呪術廻戦というシリーズ全体の中に、0を浮かせずキレイに組込めているのを意味する。呪術廻戦の原点から、本編の過去編(つまり補完)へと。

しかし、私が好きなのは本編を知らなくても、あの単行本1巻で無駄な要素なく完成されていた原作が好きで、乙骨憂太が好きで、彼の成長譚を観たくて行ったので、ちょっとがっかりした。