青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【感想】わたし、二番目の彼女でいいから

Re岳先生がラノベの装画と挿絵を担当してるっ!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

 

ちょっとミステリーやりたいのかな

 

内容をざっくり言うと、「主人公の桐島くんは橘さんが本命で、早坂さんのことが二番目に好き。早坂さんはある人が本命で、次に桐島くんのことが好き。そういう二番目同士で付き合っている。二番目に好きだから二番目なりに誠実に付き合いたいけど、本命は他にいて、それに後ろ髪を引かれたりもする。本命が他にいるから、互いに本命への恋を応援する」という感じの話。

つまりは
??


橘さん           ??
↑(1)                   ↑(1) 
桐島くん←(2)→早坂さん
って図式が最初に提示される。

この作品の面白さはこの最初に提示された人間関係が段々違うものに変わっていくことですね。感情の矢印がどんどん変わっていく、あるいは今まで話題にされなかった故に本当のものが見えてくる。そういう風に関係性が開示されていくうちに、主人公が徐々に退っ引きならぬ事態に陥っていて、1巻の終わりには地獄の様相を呈してましたね。
まぁそういうのが好きなので笑顔でいただきましたが。

演出としての設定の見せ方も良いんですね。ミステリー風味というか。最後の最後に全部ひっくり返すようなやつじゃなくて、こまめにそういう要素を持ってくる。主人公の桐島くんはミス研に所属してたり、作中作もミステリーだったり、そういうのが好きなんですね。それを足掛かりに次の話の展開へと持っていくのも上手くって、まったく飽きさせなかった。

要所要所でエロ漫画みたいな展開というか、そういうのを思い出すような展開があったのも個人的には嬉しいですね。ラブコメじゃないから、じとっとしたそういう湿っぽさがある。イケないことって気持ちいいんだろうね。

ただ個人的に気になるのが、早坂さんがなんで主人公のことを二番目に好きなのかなってところ。一番の人に対しては憧れとかなんだろうなぁってわかるけど、じゃぁ桐島くんとかいうメガネがなんで二番目なの?って。ちょっとだけ言及があったけど、いまいち腑に落ちない。でも早坂さんが桐島くんとその憧れの人のどっちが一番好きなのかわからなくなる描写があったし、単純接触効果のせいにしてもいい気はしてくる(微ネタバレ)。早坂さんが、どんどん嫉妬とかの感情で混乱していって病みかけていく様は見ていてとても気持ちいいので、いいぞ!もっとやれ!です。

 

この作品のおかげでしばらくの間、感情がグチャグチャになったし、次巻予告もあったし、続きの気になる作品でした。