青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【少女漫画入門日記 その8】櫻の園

吉田秋生は『BANANA FISH』でその名前を知っていたが、他に『海街diary』などを描かれたベテラン作家であるのを最近知った。タイトルがチェーホフの戯曲を思い出すなと思い調べてみたら、無関係ではなかったので興味を持って読んだ。

この作品を読む前にチェーホフの『桜の園』も読んだが、つまらなかった。そのうえ、案の定ではあるが作品そのものの内容にも対して関わりがないため読んだ意味はあまりなかった。

 

チェーホフ桜の園の主要な女性登場人物と重ね合わせて作られた4人のキャラクターにまつわるお話。だいたいが思春期の女の子が若さの儚さを知ったり性差を知ったりといった感じ。扱っているトピックは生々しい印象を受けるが、それを詩的にまとめ上げている。

 

激しい感情が〜ではなくて、繊細な心と年頃の女の子らしい揺れ動きが丁寧に描かれていた。どちらかというと雰囲気は小説に近いかもしれない。そういう良さがあった。