青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【感想】その着せ替え人形は恋をする

アニメ1話放映後、作画が良いや女の子がかわいいといった好評が多かったので気になった。ふと入手経路不明だが原作が4巻まで置いてあったのを思い出して読んでみたらかなり面白かった。最新刊まで買って読んでしまった。

 

 

 

 

まず第一に、ヒロインである喜多川海夢の顔がいい。一挙手一投足がかわいい。主人公が喜多川さんにドギマギさせるのを見ているとニヤける。これが気持ちいいんじゃ~。マァジで顔がいいので、表紙見て「この娘かわいいな」と思ったら間違いない。

それに、この作品の基本コンセプトが「コスプレ」。顔のいいギャルが色んな衣装を着る。最強。

 

一方で、最近は「オタクにやさしいギャル」作品が増えてきたと言われているが、この作品はそういった作品群と似て非なる位置にある。一般にああいった作品は「陰キャな男のオタク主人公が気さくなギャルにちょっかいを出される」というのが多い。確かに主人公はどちらかというと陰気な感じはするが、それでもひねくれてはいない。そして、本作でオタクなのは主人公ではなくてギャルの方。おそらくそうであることがこの作品でやりたいことの1つなのだろう。

 

この作品を読んでいると前向きになる。それは喜多川海夢が自分の好きなものをなんの臆面もなく言うのが大きい。正直な思いを主張する彼女に驚く。それが気持ちいい。

 

主人公はそれと対照的で、好きなものを素直に言えない。主人公はヒロインが好きなものを真っ直ぐ言えるのを見て、当初「自分とは真逆の世界で生きている人」だと思う。物事を複雑に考えてしまう。そこで生まれる膠着を喜多川海夢が真っ直ぐと思いを口にすることで壊す。主人公も喜多川海夢のように素直な気持ちを言えるようになってくる。

 

なにもそのような変化を持つのは主人公だけじゃない。主人公以外のキャラにも、否定されるかもと怖がるキャラが出てくる。しかし、そういったキャラクターたちもコスイベに出たり人と話したりするうちに、自身の先入観が本当に単なる先入観であるのを知る。

主人公もまた、好きなものを好きと言って否定される怖さを知っている。他人がそのように怖がる気持ちを理解している。だが、他人がそういった不安を口にするとき「そんな複雑に考えなくていいのに」と思うわけだ。

 

こういった、「素直で良いんだよ」というテーマは一貫している。8巻の「勝手に想像していたのは 俺で もっと 単純でいいのかもしれない」というセリフが特に印象的だ。それを体現する喜多川海夢もまた、周囲から肯定されている。

 

 

まとめると、着せ恋は「喜多川海夢の顔が良くて、喜多川海夢を見ていると元気になれる」作品だ。とにかく喜多川海夢が最高なのだ。