青ペンギンの日記

i46bは基本的に漫画や小説のレビューをします。時として思索した跡を残していくと思います。

【少女漫画入門日記 その8】櫻の園

吉田秋生は『BANANA FISH』でその名前を知っていたが、他に『海街diary』などを描かれたベテラン作家であるのを最近知った。タイトルがチェーホフの戯曲を思い出すなと思い調べてみたら、無関係ではなかったので興味を持って読んだ。

この作品を読む前にチェーホフの『桜の園』も読んだが、つまらなかった。そのうえ、案の定ではあるが作品そのものの内容にも対して関わりがないため読んだ意味はあまりなかった。

 

チェーホフ桜の園の主要な女性登場人物と重ね合わせて作られた4人のキャラクターにまつわるお話。だいたいが思春期の女の子が若さの儚さを知ったり性差を知ったりといった感じ。扱っているトピックは生々しい印象を受けるが、それを詩的にまとめ上げている。

 

激しい感情が〜ではなくて、繊細な心と年頃の女の子らしい揺れ動きが丁寧に描かれていた。どちらかというと雰囲気は小説に近いかもしれない。そういう良さがあった。

【感想】微熱空間

近所のBOOK OFFに行ったら安く買えたので手に取った。『楽園』をめくっているときにキャラが可愛くて気になっていたのが遠因。

 

 

そろそろ4巻が出るらしいですね。

 

あらすじ引用*1

多感な時期の女のコが同い年のオトコのコと急な事情で生活を共に…。蒼樹うめが満を持して放つ悩ましくも羨ましい物語

 

蒼樹うめの絵をこの作品読むまでかわいいとか魅力的に感じたことがなくって、というのも私が普段見る絵と比べでコントラストがそんなに高くないんですよね。でもこの作品読むと「え、かわいい」と思わず言ってしまうような、そういう魅力にあふれてました。動的な可愛さっていうのかな、表情の移り変わりに魅力が詰まってます。たとえば扉絵とカバー下のイラストが差分の関係になっているんですよね。カバー下がそうなってると思わなくって、最初見たときはその想定にかなり虚をつかれました。カバー下にもカラーがあるなんて、豪華に作られてますね。

 

お話自体も上品な恋愛漫画で精神的な栄養になりますね。設定だけ見るとエロゲにもありそうなものなのに、決してエロに走らず、初心な感じ。


「あぁ〜これ良い〜」って思わず言いたくなる作品。これを機に積んでた『ひだまりスケッチ』を読もうかな。

【感想】踊り場にスカートが鳴る

コミック百合姫2020年10月号の新連載でこの作品を読んたときの衝撃は忘れられない。

 

 

社交ダンスは普通男女ペアでの競技だが、その競技人口の男女比から女性同士のペアがありうる……どちらかが男性役(リーダー)を、もう片方が女性役(パートナー)を体格差から決めて練習するのだが、主人公の春間ききはパートナーをやりたいのにも関わらずその高身長故にリーダーの方に適正があり、そちらの方が似合っているからとリーダーを演じていた。そこに長年のペアから渡される解散宣言、ききはそれを受け入れられないまま新たな自分のペアを探すことになる。経験者であり、小柄で可愛らしい少女である鳥羽見みちるが現れる。似合わないであろうリーダー役を志望するみちるとの出会いが、ききを変えていく……

 

 

私は似合うこと、得意になりやすい方を選択する方が楽だと思ってるので、どちらかというと押し付ける側にいるんですが、それは私に強くなりたいものがないからなんですよね~~。あるいはなりたいものと得意なものが一致していただけだったり。

 

ききはなりたい可愛い自分があってもそれは自分には似合わないと表に出さない。それが、それが表にちょっとでちゃった時があって、それがみちるに見つから。みちるはそのパートナーを演じるききに惹かれて、「似合う役(リーダー)をするのがいいと思っていた」ききに「本当にそれで良いんですか?」と問いかける。いいわけないだろ!

 

そういうわけでなりたい自分があるのって羨ましい……羨ましいね……

 

でもなりたい自分へと向かっていくって決めても、簡単にいくわけではないんですよね。やっぱり、背の小さいリーダー、大きいパートナーは不恰好になるので上手くいかなかったり。

 

きき、パートナーをやると決めても練習しているときに注目されたら萎縮しちゃって、やっぱり無理なのかなぁ……と悩んだり。なんども立ち止まるんですよ。そうやって足踏みするのが、刺さる…とても人間らしい。一人で自主練しながらも、周囲の視線を思い出し、「やっぱり……」って三角座りしてひとりごちるの、良さ……

 

この作品で私が特に好きなのは、作品の見所を実際に社交ダンスしているシーンに持てきており、その描写がとても丁寧で、美しい作画で描くところですね……たとえば第1話のここ。

 

 

 

はぁ……綺麗……好き……

 

このシーンがそれまでの展開で溜めた分をしっかり解放していて、気持ちがいいところ。初めてここまで読んだとき、この遷移が美しすぎてなんども返ってみかえした。とりあえず任意の人間にここまで読んで欲しい。

 

この作品は作画の美麗さと選択するテーマ、社交ダンスという媒介が調和していてある種、詩的とすら言える清らかさを醸しだしている。もっと有名になってくれ……

ツユの3rdライブに行ってきました

行ってきました

感想を書いて私の脳内に焼き付けます

 

 

 

不幸に誘われていたはずだが、気付いたら幸せになっていたのだ。不思議でしかない。

 

 

ステージの様子

3段に分かれていた。1段目の上手にベース、下手にドラム、上手の舞台袖にマニピュレーター、下手舞台袖にイラストレーター(!?!?!?!?)がいたらしい()。 2段目の上手にギター、下手にキーボード。ボーカルは移動しながらだったので割愛。3段目はボーカル専用だったね。

 

1番下の段に埋め込まれている照明が透明な傘で被り物をしていて、凝ってるなぁと感じた。他の照明装置もかなり効いていたのだけれどこれを記そうとするとかなり詳細に書かないといけないので割愛。ライブの様子をビデオに収めていたので、いつか円盤にしてくれるかもしれないのを期待して、それに任せることにします。

セトリとか

 基本的にこのライブと同一タイトルのアルバム『貴方を不幸に誘いますね』を基本骨子として*1それに1stアルバムから3曲*2全てと、上のアルバムの購入者特典楽曲で構成されていた。

驚いたことにアンコールやるまでMCがまっったくなかった。助かった。なので基本的にずっと立ちっぱ。それと、声が出せないあからクラップで一体感を味わおうとしている人が多かった。サビの時は右手を挙げて閉じたり開いたり。ペンライト文化以外が初だったので意外だった。たまに見るライブの映像で観客たちが手を挙げているのってこれの亜種なんだね……

以下、曲ごとに覚えていることを書いてく。

ただしセトリは正しくないものとする

強欲

 インスト曲でピアノソロ。なるほど入りがこれなら会場も静かに聞くし、これから始まるであろうライブに想像を馳せられる。でもピアノ格好良かた。

ナミカレ以降のツユはピアノがかなり気持ち良いことになっているので、ここで存分に浴びれたのは気持ちの切り替えにもなっていて助かった。

デモーニッシュ

 ボーカルの礼衣さんが3段目に立っていたのが薄い白い布で透かされてわかった。白い布には映像が投影されてMVが流れるという形。そこそこ布が大きくってそれにデカデカとMVが流れるの迫力あるよね……

消灯とキツめの赤の照明だったような気がする。まだ空気に慣れていないので、低温がガンガン体に効いてきて寿命が伸びる感覚がした。

過去に囚われている

 黄色や橙色を使っていたっけなぁ……クラップするのが楽しかった。ピアノの音が冴えていて澄んだような気持ちになった。

奴隷じゃないなら何ですか?

 緑が基調。それに赤が混ざっていく。歌い始めが強い曲なんだよね……これ……まだMVが公開されていない楽曲なので、それをライブで聞けたのかなり良い体験だった。

ルーザーガール

 お前が大好きなんだよ……実は上の曲の間を少しピアノソロを挟んでいて、ピアノにスポットライトを当てるだけ、それ以外の照明も切っており、その間にボーカルが3段目から2段目に降りてきてギターとキーボードの間に位置するようになった。このあたりからボーカルが歌いながら演技のように体を動かす様子がわかるようになった。

雨を浴びる

 抑えめの曲。MVからもわかる通りに真っ青な印象。ライブで聞くとBメロ良いね……になった。良いよね……

わりと珍しい男のイラスト。

太陽になれるかな

 前の曲からさらに抑えめの曲。バラード曲にクラップ合わないから、こういうときにペンライトがありがたいなぁと思った。映像を投影する場所の話なんだけど、それが下の小さいところしか使われなくて、そういう仕様なのかなぁとちょっと思った。

テリトリーバトル

このあたりアルバムと若干違う。音ゲーに収録された楽曲で、これがアルバムに収録されると聞いたときは嬉しかったな……4つ打ちが効いてて健康になる感じがした。人類は4つ打ちに負けてしまうものなのね……

ここでベースの方が一瞬姿を消していて、この曲ベース使ってないんだなと初めて気付いた。

サビで赤と青のライトが交互に照らしており、この2色で争っているんだなと感じた。

かくれんぼっち

 ペンライト使う時に白にするか緑にするか悩んだ。最後にサビが2回あるの忘れていて、不意打ちをくらったような気分になった。

梅雨明けの

 2ndアルバムのanimate特典。これが聞けると思ってなかった。最後の盛り上がりがいいんだよんね……今まですごい静かだたのが、最後に開放されて清澄になる感じ。

ピアノとボーカルにスポットライトを当てていたので、この2つで構成されているんだろうなぁ……と思った。

風薫る空の下

 澄んだ曲が続きますね。この曲は最近あまりリピートして聞かないので懐しい気分になったり。ギターの音好き。

ナツノカゼ御来光

 これはタワレコ特典。初めて聞いたんだけど良い曲だね……橙色で半分くらい照らしていたような……

アサガオの散る頃に

 前のアルバムに入ってたカバー曲。カバー曲、続きますね。大きくMVに使われていたイラストがスクリーンに表示されていて、おむたつ先生以外のイラストだったので少し印象に残った。おむたつ先生はわりとあっさりとした塗りをしているのだけれど、このMVに使われるイラストは若干厚塗り気味だから違いがわかりやすい。

秋雨前線

 この楽曲の間はキーボードとギターをスポットライトで浮かびあがらせていたので、その2つの楽曲で構成されているんだなぁ……になった。多分、どろぶんちゃんが黄色の紅葉のじゅうたんによこたわっているイラスト。インスト曲がMVになることはないだろうから、アルバム紹介動画以外で日の目を見る機会あるのかなぁ……見たいなぁ……と思ってたり。アサガオは梅雨の季節で梅雨前線、この楽曲の秋雨前線と対になっているのかな。

忠犬ハチ

 これも異色な曲。正直らしくないなぁ……と思いながらも情に訴える曲作りになっていて、不覚にも感動してしまう。MVのノスタルジーっぽさがいいんだよね。

あの世行きのバスに乗ってさらば

 これのメロディを使ってピアノソロが流れ始め、キーボードにスポットがあたり、それ以外暗くなる。その間にボーカルが1段目の真ん中にくる。マジかよと思っていたら上からさらにデカいスクリーンが降りてきて「あの世行きのバスに乗ってさらば」と始まる。絶叫しなかった自分を褒めてやりたい。これ聞けただけで死んでもいいなって思った。

くらべられっ子

 ツユで1番再生されている楽曲。会場が熱くなるのを感じた。あのバスに続いてこれが流れるとか、殺しに来ている。これについてはすごい良い曲なので語ることはあまりない。

ナミカレ

 1番好きなMVやっぱこれだなと、クソデカスクリーンを眺めながら思った。あの音響で流れるものだから気分は映画館よ。 アウトロのピアノソロが冴えていて、気持ちいい~~になりました。

泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて

 迫力満点。この楽曲、唐突な終わりをするから余韻がとんでもない。箱に残る残響に感情が持ってかれる。

終点の先があるとすれば

 明らかに「あのバス」のアンサーソング。これが2ndアルバムだからこれで本編は終わってしまうんだな……としみじみ思いながら聞いた。

ラスサビであのバスちゃんとおぼしき顔が写されたとき腰抜かすかと思った。

やっぱり雨は降るんだね

 アンコール1曲目。やっぱこれだねぇ……になった。イントロと共に落ちるクソデカスクリーン。あぁ無情。しかし、かなり良い演出だなぁ……オッと声を上げちゃった。

 

MCでこの楽曲を公開したらn-bunaさんから「インターネットに埋もれるべきではない」というような趣旨のDMを受け取ったらしく、そのメッセージを糧に今も頑張っていると感謝を述べたらしい。本人に直接言えや。

ロックな君とはお別れだ

すごい好きなのでもう感無量。前のアルバムの楽曲で生で聞きたい曲全部聞けた。

 

結び

ライブ良すぎて終わった後物販に駆け込みなおして缶バッチとアクリルキーホルダーを買っちった。イラストレータ*3のセンス良すぎ。声が出せないライブだったけど、とても良い体験だった。ツユの曲、やっぱり好きだ……アルバム聞いてライブの余韻を思い出しながらこれを書いたのですが、また生で音浴びて歌を聞きたいよ……

 

(了)

*1:見てみると少し入れ替えられてる。セトリの記憶違いを疑う

*2:インスト曲2曲と『ひとりぼっちと未来』。

*3:MCでツユの可愛い担当って言われていた

【少女漫画入門日記 その7】はいからさんが通る

サークルの人にオススメの少女漫画なにかありませんか?って聞いたら、大和和紀作品が勧められた。調べてみたら『はいからさんが通る』や『あさきゆめみし』の作者だった。「はいからさん」は有名なので読んでみようと思い、図書館で取り寄せて読んだ。

 

 

お転婆な少女紅緒が斜陽の華族に嫁ぐことになったけど、嫌だから暴れて追い返されようとしたら逆に気に入られて、紅緒も許嫁に対して満更でもないご様子になったあたりに、紅緒の酒乱が発揮して許嫁の上司を怒らしてしまい、許嫁は海外へ飛ばされて行方不明に!紅緒は操を守って家族に居座り続けて働いたりしていたら記憶をなくした許嫁が帰ってきた。許嫁は恩を返すためにある女性と婚約関係にあって、紅緒はそれに入り込めないと諦めてその時に言い寄ってきていた男と結婚することにしたら、結婚式のさなかに関東大震災が!その事故が理由でもとの許嫁とくっつくことができました。

 

という話。ロマンチックだけどコメディ部分が多くてロマン……チック……?となる。イケメンがイケメンする以上に、ヒロインがいい具合にテンプレートを破壊してヒロインが主人公してる感じがいいですね。好きです。

 

作品内でもメタネタとして「これ本当に少女漫画?」や、「この主人公、少女漫画の主人公らしくないわね」みたいな発言があり私はメタネタに弱いのでクスクス笑えました。

 

はいからさんこと紅緒がいいキャラしているんだよなぁ、キャラクターの形成に大成功してる。活動的で型破りで、でも乙女。嫌いになる要素があまりない。酒乱な女性キャラクターはそれなりにいるけれど、主人公に振られた属性でそれが災いばかり呼び起こすのはそれっていいの?って感じ。

 

ストーリーもコメディ抜き、つまりメロドラマ部分だけ見てもそれなりに完成度が高く、現代までその名前が残るのに納得の出来栄えだった。

 

クライマックスの関東大震災の使い方が劇的で、その演出も冴えていたため、そのシーンはかなり印象的。そのシーンだけでも読む価値はある1作だった。

【少女漫画入門日記 その6】トーマの心臓

萩尾望都の名前はあらゆる方面から聞き及んでいたのでいつか読みたいと思っていた。そしたら大学の図書館に『トーマの心臓』だけおいてた。反射的に手を伸ばして借りて読んだ。

 

 

あらすじをAmazonの内容紹介から引用

 

ギムナジウムの少年たちを描く歴史的傑作。

 

冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。

 

作品検索かけたら「トーマの心臓 わからない」がサジェストされて笑っちゃった。何回と言われているらしい。でも、面白いよ。

 

萩尾望都といえば『ポーの一族』だと思ってたが、『トーマの心臓』を挙げる人もたまにいて、前から興味があった。今『ポーの一族』も読んでいて、セリフ回しがとても詩的というのを実感する。どこかの記事で、「漫画は絵が主役だからセリフとかを少なくしようとしている」みたいなのを見たけど、言葉少なにしたら詩的になったとかそういうものなのだろうか。今の漫画のほうがセリフ量少ないぞ!

 

作画も丁寧、セリフも詩的でとてもお上品だなと思った。読んでいる感覚は漫画を読んでいるというよりも小説を読むような感覚。それも日本文学というよりも海外文学の方に近い。

 

これを読んだあとに、『100分de名著』の萩尾望都特集を読んだので、以下の感想はそれを踏まえたものになってる。

 

 

男性しかいない寄宿学校、正確にはギムナジウムが舞台なので基本的に女性キャラが出てこないんですよね。これまでに読んできた少女漫画って多かれ少なかれ男女の恋愛が絡んできたので、むしろ少年しかいない!となるのは初めて。別に完全に排除されてるわけではなくて、少しは出てくるんですけどいるだけでストーリーの本筋に関わってこなかったり。

 

そういった空間の中で美少年たちが「愛」について巡り合っていくんですよ。ときめいちゃうね。

 

探りを入れてみたら、BLの大本をたどると『トーマの心臓』と『風と木の詩』の少年愛にたどり着くらしい。知見だ。

日出処の天子』にも同性愛の話しがあるらしいし、こういった作品たちを礎として今のBL文化があると思うと感慨深い。

 

逆に私はここらへんから百合文化との対称性を思い出した。曰く、『トーマの心臓』ではいずれ巻き込まれてしまう支配非支配の構造を崩す試みをしている、と。現代の百合漫画は多くの場合女の子同士が対等な関係を結ぶという終わりが多く、なるほどこの作品が示そうとしたところに行き着く。とてもキレイ。

 

またこの作品内で女性が疎外されていることも、一般的に百合作品で男性が疎外される傾向にあるのを思い出させる。女性向け作品で女性を排除するのは、それを見ることによって引き起こされる現実を排除するためと聞くと、男性も同様なのだろう。男を見ることで私に現実を呼び起こさないでくれ!

 

トーマの心臓は百合だった……??

 

いろいろと書きましたが、とても上品で知的な作品で他にも萩尾望都の作品を読みたいと思わせるいい作品でした。

【少女漫画入門日記 その5】ラストゲーム

マンガParkすごい便利だなぁ…

 

 

1巻のあらすじから引用

小学生の柳は超完璧少年だったが、転校生・九条が現れ、勉強・運動で惨敗! 柳は人生初の挫折を経験し、九条への雪辱を誓う。同じ中学、高校に進学する中、「惚れた方が負け」という言葉を耳にし、柳は九条を惚れさせようと決意する。十年に渡る二人の勝負(ラストゲーム)が、今始まる!!

 

オプション付きはそのオプションに甘えんじゃねえぞ!と突きつけてきたあとに、でもそれもお前の一部だよって言ってきた漫画。わりと親の七光りとすねかじりで生きてきた人間なので耳が痛いはなしであった。

 

それは置いといて、話の主眼は、まったく振り向いてくれない鈍感女子を頑張って振り向かせようとする女々しい男子大学生の話である。柳、可哀想な場面が多かったね……あまりにもヒロインが鈍感好きです二人の距離が付き合った彼氏彼女のそれに近くなっていたというシチュエーションが私はかなり好きなんですね。冴えカノの2部以降の主人公とヒロインの関係とか、そういうね。今回はそれを崩しにかかる男と女ありで、それも話してしてしっかり組み込まれていて面白かった。空気をしめるべきところはシャキッとしていたし、ギャグでいいところは笑えた。

 

途中から当て馬ヒロインとしてやってきた橘桃香がいい性格していて、もっとあの二人を掻き回せ〜って勝手に盛り上がれました。マンガParkでコインが回復するのが楽しみになるいい作品でした。に